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2010-02-17

リアル書店で電子書籍をダウンロードさせる、という事について。

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光和コンピューター、電子書籍市場参入を示唆、書店でダウンロード販売
http://www.asahi.com/digital/bcnnews/BCN201002150011.html

あんまり大した記事じゃ無いのですが、はてブが異様に盛り上がってるので反応してみました。

基本的にはてブでは「ディスクシステム」とかフルボッコ。まぁ「電子書籍をダウンロード購入する場所を書店に限定する(キリッ」とか言っちゃえば、そうなるわな。

でも、「リアル書店×電子書籍」(リバあり)で何かをしようって考え方自体は、かなり面白いと思います。

例えば、バーンズ・アンド・ノーブルの「Nook」はKindleみたいに3Gで電子書籍を買える端末ですが、B&Nの店頭でWifi接続すれば毎回1冊無料で読めるらしいのです。つまり、インセンティブをつけてやる事でリアル書店の販促に繋げている。端末の展開元が書店であればこそ、できる事ですよね。

リアル書店の優位性として「売場の訴求力」があると思います。今のWebでどれだけ頑張っても、書店員が工夫を凝らしたフェア展開や「文脈棚」には勝てないでしょう。前述のような方法でインセンティブをつけて店頭に客を呼べば、その訴求力が生かせます。そしてユーザは、目の前にある紙の本と、手元のNookで買える(少し安い)電子書籍との選択ができる。これによって、恐らく家で書籍紹介ページを眺めている時や、手ぶらで店頭に訪れた時よりも、かなり高いコンバージョンが出せるのではないでしょうか。さらにこの形だと、在庫切れにも対応できます。つまり、販売力を最大化した上で、機会損失の圧縮も同時にできる訳です。

面白いことはまだまだ出来ると思います。例えば電子書籍端末が店頭在庫データとリンクして、その本がある棚の位置が示されたら凄く便利じゃないでしょうか。購入履歴から小説や漫画の続刊、同著者作品の新刊情報なんかのレコメンドを、無料サンプルや著者メッセージと一緒にプッシュ通知して、店頭へ誘導する事もできそうです。

「電子書籍の普及でますますリアル書店が死んじゃう!」とかよく耳にしますし、そういう流れは確かに今後あるでしょう。でも「リアル書店を持っているからこそ、電子書籍使って「馬の骨事業者にはできないアドバンテージ」を作り出す! 書店が死ぬという、その幻想をぶち壊す!」って、誰か言っても良いと思います。紀伊國屋さんとかジュンク堂さんとかー。

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